株式会社エヌ・ティ・ティ・ロジスコ様

年に1度の全館停電は、システム部の業務負荷を増大させた

 もうひとつの問題は、NTTロジスコが利用するテナントビルで、年1回3月の特定日に法令に基づく全館停電が発生することだ。NTTロジスコでは365日の通常の出荷作業や24時間緊急配送サービスを提供しており、当然、荷主との情報連絡を行うメールシステムも常時稼働していなければならない。物流情報システムは外部のクラウドサービスを利用していることから全館停電の影響は受けないが、メールシステムは社内情報システム基盤が設置されたテナントビルに置かれているためその影響を受けてしまう。「2、3か月前からお客様にメールシステムが停止することをお知らせするなど、たった1日のために掛かる準備作業の負荷が大きかった。その負荷削減のためにも、メールシステムを社外に置く必要性があった」(長谷川担当課長)。しかしながら、荷主との情報連絡手段としてメールが定着しているため、用意周到のうえ顧客に周知徹底していてもトラブルが起きてしまうなど、メールシステムの常時稼働は業務上実現すべき優先課題だった。

 社内情報システムの“延命策”としてソリューションを求めたため、課題も多かった。「延命措置として考えていたため、大きなシステム変更をするつもりはない。社内ユーザーの使い勝手も考えたうえで、既存のシステムを丸ごとクラウド環境に移行する方法がないかと探した」(長谷川担当課長)という。既存システムは、プラットフォームにWindows Server 2003、グループウェアとしてIBM Notesを使用し、メールシステムも稼働する構成となっていた。使い慣れたシステムを変更せず、オンプレミスからクラウドサービスへスムーズに移行する必要があった。

システム部ICT企画担当 担当課長 長谷川仁氏
システム部ICT企画担当
担当課長
長谷川 仁

既存環境の設定を変更することなく、丸ごと移行できるベンダーはNSWだけ

システム部ICT企画担当 主査 江場昌史氏
システム部ICT企画担当
主査
江場 昌史

 NTTロジスコの条件は明確だ。「IPアドレスの変更をすることなく、Windows Server 2003上でIBM Notesを稼働できること。」ということである。「取引のあるSIerに相談してみたが、『OSのアップグレード対応を含め、既存システムをそのままクラウド環境に移行するのは難しい、カスタマイズ対応では膨大なコストが発生する』という回答だった」(江場主査)ことから、NTTグループ以外のソリューションについても比較検討する必要が出てきた。検討により条件に合致したのが、NSWの「BlueSpider」だった。「他社では実現することが難しい条件でさえ、NSWからは『対応可能』という回答を得た。さらに、99.998%の目標稼働率という点も評価して採用を決定した」と長谷川担当課長は語る。「当社のメールシステムは、グループウェアとの連携が必須であり、NSW以外の企業の提案はそのためのオプション開発が必要だった。『BlueSpider』では、IBM Notesと連携可能なメールサービス『NSW-BizMail』も利用できるということで安心した」(江場主査)というように、NSWからの提案はNTTロジスコの要求をすべて満たしていた。

 NTTロジスコのグループウエア及びメールシステムの移行は2012年10月の決定から詳細な検討が始まり、2013年2月1日には全システムの移行が完了している。「多少の初期トラブルは出たが、その後は順調に稼働している」(長谷川担当課長)という。

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