物流ビジネスは、国内に加えて海外とのビジネスがあるため24時間365日の稼働が求められる。「誤配の発生率ではPPM(100万分の1)オーダーの品質が求められ、その品質を維持するためにも顧客サービスに直結する物流情報システムや社内情報システムの安定稼働は重要な要素だ」とNTTロジスコの長谷川仁・システム部ICT企画担当担当課長は語る。NTTロジスコは、顧客向けに物流情報システムをSaaS提供しており、情報システムの重要性とその維持・運用については一般の情報システム企業と同様にプロと言える。
そのプロが選んだクラウドサービスが、NSWが提供するクラウドサービス基盤「BlueSpider」だ。2010年10月当時、NTTロジスコでは、市場の変化と顧客サービスの高度化に対応した次世代社内情報システムに関するグランドデザインを描いていた。IT資産を外部に委託することを基本構想としていたが、要求を満たすデータセンター事業者が見つからないこと、サーバの償却期間の問題や2011年3月に東日本大震災が発生するなどして、スケジュールに遅延が発生していたという。「2012年2月に、社内情報システムとして活用しているメールやグループウェアの保守期限が来ることはわかっていた。延命として保守契約を1年延長したが、有効な回避策が見つからず急遽延命策を探すことになった」と江場昌史・システム部ICT企画担当主査は振り返る。