クラウド利用で期待した別な側面は、システム部の作業負荷が軽減されることである。江場主査は、「社内にサーバがあれば、ハード故障時の対応や全館停電への対応が必要だった。クラウド化したことでそれらの対応作業から解放され、セキュリティ面でも心配する必要が無く常に最新の状態を維持できる」とサービス利用のメリットを強調する。「『BlueSpider』をサービスとして利用することで、今後次期システムの更改にあたって、社内情報システム基盤を社内に置いている場合と比べ、拡張性、移行性などの点から選択肢が拡がる」(長谷川担当課長)という期待値が高まる。
今回のクラウド利用は既存システムの“延命”が目的であったが、社内ユーザーにとっては従来と同じ使い勝手で利用できるという付加メリットももたらされた。「機器性能の向上により、若干だが応答速度も向上しているようだ。また、データセンター利用に移行したことで、今後の事業所移転などが発生する場合でも容易に対応可能」(長谷川担当課長)というように、従来のような5年ごとのシステム更新では間に合わない技術革新や、将来予想される業務の変革にも対応することが可能となった。
NTTロジスコでは、先に策定した次世代社内情報システムのグランドデザインに沿ったシステム構築の実施段階にある。今後、Windows Server 2003やIBM Notesについても更新を計画しており、システム再構築プロジェクトの中において、「NSWには、我々の業務に役立つソリューション提案を、今後も続けてほしいと期待している」と長谷川担当課長は話している。